コンタクトレンズのこれからの変化

コンタクトレンズのルーツは、イタリアの科学者レオナルド・ダ・ピンチの発見にあると言われています。
1508年、彼は球形の容器に水を満たし、それに開眼状態の眼を浸しているところを示すイラストを使って、その視力矯正効果を論じたことが記されています。 ダ・ピンチの発見以来、約440年の歳月を経て、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を素材とするハードコンタクトレンズが開発されたのは1940年代のことです。
それ以前にも、ガラス素材のハードコンタクトレンズがありましたが、加工が困難なこともあって一般的に普及するまでには至りませんでした。 旋盤による切削加工が可能なハードコンタクトレンズ用プラスチック材料(PMMA) の開発により、コンタクトレンズ産業としての新たな歴史が始まった訳です。
始めた訳ですが、同時に様々なHLCの問題も明らかになってきました。 装用に慣れるまでに時間がかかること、1日の装用時間に限界があること、様々な自覚症状に応じて装用できない場合もあること、無理な装用により角膜障害が生じることです。
主な原因は、HLCのPMMA素材が角膜の代謝に必要な酸素をまったく透過しないためであったことが判明しています。 その後、ハードコンタクトレンズでありながら酸素を透過する素材が次々と開発され、現在はシリコンとフッ素共重合体の素材が主流となっています。
即ち、フッ素共重合素材の高い酸素透過性により、連続装用が可能となったのです。 1960年、チェコスロバキア科学アカデミー高分子化学研究所教授のオットー・ピヒテルレ博士のグループが、科学雑誌に表した内容に、ハイドロジェルのコンタクトレンズの製造への応用に関するものであり、これが新しいソフトコンタクトレンズ誕生の先駆けになりました。
1965年にこの技術がアメリカにわたり、ソフトコンタクトレンズの開発がなされ、1971年にアメリカ初のソフトコンタクトレンズが発売されたのです。 1981年には連続装用も認可されました。
材質的に水を含んでいるために柔らかく、酸素透過性もあり、装用感も良好なソフトコンタクトレンズは、各国のレンズ普及率を飛躍的に向上させる役目を果たしたのです。 ほとんどの場合、屈折異常の矯正はメガネでも十分に可能です。
コンタクトレンズの装用を希望する理由は、おそらく美容上と答える人が大半でしょう。 即ち、フレームの形状によって顔のイメージが変化するメガネより、素顔のままでいられるコンタクトレンズの方がよいという理由から、コンタクトレンズの装用を開始する人が増加傾向にあります。
また、片眼の視力が他方とかなり異なる場合を「不同視」と呼びますが、不同視の方で、特に左右の視力が著しく異なる場合は、コンタクトレンズがお勧めです。 というのは、左右の視力がかなり異なる不同視の方の場合、メガネを用いると、左右の網膜に映る像の大きさが異なるため、そのメガネを使いこなせないことがあります。
メガネレンズは目から約1cm離れているため、外から入った光が目に届くまでの間に像が結小(拡大)されてしまうからです。 一方、目の上に直接装着するコンタクトレンズは、網膜上の像の縮小(拡大)はほとんど生じません。
つまり、網膜に映る像が左右の目で異なることはほとんどなく、不同視の方にはメガネよりも適しているという訳です。 また、メガネレンズの場合、横目を使ったりして、レンズの中心から離れたところでものを見ると二重に見える(複視)ことがあります。
コンタクトレンズの場合は、視線とレンズが一緒に動くことで、複視が生じることはありません。 以下に、メガネとコンタクトそれぞれのメリットとデメリットを列記しておきましょう。
コンタクトレンズの使用目的は、主に屈折異常の矯正です。 その他に、ファッション感覚で装着するカラーコンタクトレンズ、眼の手術後に角膜を保護し、治療を早める目的で使用される治療用コンタクトレンズなどがあります。

屈折異常には、近視、遠視、乱視があります。 目はカメラと同じような構造をしていて、外からの光をレンズに相当する角膜や水晶体で屈折させ、フィルムに相当する網膜で焦点を結ぶ仕組みになっています。
網膜に正しく焦点を結ぶことができる状態を正視といい、光の屈折がうまくいかず、網膜に焦点が結べない状態を屈折異常といいます。 ここでもう一度、コンタクトレンズの長所と短所についてチェックしてみましょう。
人によって、合う・合わないがあるので、よく注意することが重要です。 強度近視の場合、メガネはレンズが厚くなるため、ものがゆがんで見えることがありますが、角膜に密着させて装用するコンタクトレンズは、度が強いレンズを装用しても、ものがゆがむことはありません。
メガネで矯正できない不正乱視でも、ハードコンタクトレンズを用いれば、角膜の表面を覆うことで角膜の凹凸をカバーし、矯正が可能です。 メガネはフレームにさえぎられて視野が狭くなりますが、角膜に密着したコンタクトレンズは、裸眼と同じ視野を得ることができます。
角膜に密着させて使用するコンタクトレンズは目に直接的な影響を及ぼします。 レンズの選択、装用方法を誤ると、眼障害が多発します。
メガネは多少汚れていても、直接的な影響はありませんが、コンタクトレンズは、毎日、こまめにレンズケアを行う必要があり、手抜きをすると眼障害の原因になります。 メガネは誰でも使用可能ですが、コンタクトレンズは装用できない人も少なくありません。
例えば、重症ドライアイ、結膜炎などの患者さんや小学生にはふさわしくありません。 人によって、コンタクトレンズに向く人と向かない人がいます。
以下に、向く人と向かない人の詳細を記しますが、実際にコンタクトレンズを作る場合は、必ず専門の眼科医による検査・処方を受けてください。 多い方コンタクトレンズによる目への影響は、レンズの種類(酸素透過性、デザイン)、厚さ、直径、度数、フイッティング、汚れ・変形、装用時間、装用年数、涙液量などによって異なります。

目に合っていないレンズ、汚れたレンズ、ソフトコンタクトレンズ(使い捨てレンズを含む)で度数の強いレンズ、酸素を通さないハードコンタクトレンズを装用していたりすると、目への影響が大きくなります。 つまり、コンタクトレンズを装用する場合は、一人ひとり、それぞれ異なる目の状態に合わせて、その人の目にできるだけ影響の少ないレンズ、装用方法、レンズケアを選択することが重要です。
少し前まで、初めてコンタクトレンズを装着する人(装用未経験者)は、まず眼科医院・病院を訪れる人が大半でしたが、最近は、コンタクトレンズを初めて装着する人も、新しいレンズにつくり替えようという人(装用経験者)も、その半数以上がメガネ店やコンタクトレンズ量販店(リテイラー)を訪れています。 メガネ店、コンタクトレンズ量販店では、スタッフが客の装用したいコンタクトレンズの希望を聞き、そのコンタクトレンズについて説明してくれます。
実際に購入する際は、店が提携している診療所に行って目の検査とレンズの処方を受け、再び店に戻って診療所で処方されたレンズを購入することになります。 その後、購入したレンズを持って眼科に戻り、実際にそのレンズを目に装用して、自分の目に合っているか否かを確認します。
このような手順が組まれているのは、目の検査、コンタクトレンズの処方、装用指導が医師でないと行えない医療行為であるからです。 いくら早くレンズを入手したいからと、この手順が組まれていない店で購入するのは非常に危険です。

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